2019.10.29~11.2 合肥→武漢 自転車で移動

10月29日 合肥→青山郷 また野宿

通勤ラッシュの中、合肥から六安へ

6:30 起床、とても良く寝られた。張君に挨拶して宿をチェックアウトする。合肥は一応省都だし、宿も良かったのでもう一泊しても良かったかなと少し思う。昨晩と同じ食堂で炒飯を食べてから8時に走り始める。

合肥から東へ向かう主要道を進んだので、車や電動バイクやオート三輪やらがとても多い。

ひたすら真っ直ぐな道を西へ進む。金橋という町で昼食を摂る。15時に六安の駅前に着く。郊外のバイパスを通ったためか、六安の街はとてもガランとしている印象を受けた。

もう野宿はしたくなかったが…

六安から南西に進み16時半、青山郷という村に着く。宿を探すが青山郷は糞田舎すぎて宿どころか商店が一軒あるのみだ。隣町まで進むには時間も体力もないので、野宿することにする。

淠河が湾曲してできた湿地の横にある空地にテントを張る。空地には小さな野犬がウロウロしてたりして少し不安だ。ちなみに後ろの建物は閉鎖された公衆厠所です…。

ビールを飲みながら2日分の日記をスマホにメモする。トイレをしに外へ出たら、一人で散歩をしているおじさんに話しかけられる。「今日は合肥から来ました」と言ったら、「私の娘が合肥工業大学にいる」と言っていた。娘が103公里も離れた合肥に行ってしまって寂しい、みたいなことも言っていた。

おじさんと話してかなり不安が小さくなった。(夜に一人でこの周辺を散歩できるという事実にも安心した。)21時前に寝る。

10月30日 青山郷→上土市鎮 大別山地越え

土地嶺峠を越える

5時半起床。結局、野犬に囲まれることも、公安が来ることもなくよく寝られた。テントを片付けて7時に青山郷を出発する。9時、霍山の町に着いて少し辛めの麺を食べる。

今日と明日の2日かけて安徽省と湖北省の境に連なる大別山地を越える予定だ。標高は700mくらいだが荷物が多いのでゆっくり進む。

東淠河を越えると徐々に行き先の山々が見え始める。落児嶺鎮より先は本格的な山道となる。道も2車線となり、空気も澄んでいて日本の風景と似てくる。山道はかなり急な登りで大変だったが、どこか精神的に落ち着くところがあった。日本を発つ前、1ヶ月以上も北アルプスに籠っていたからか?

峠道から落児嶺鎮を見おろす

山道になって交通量はだいぶ減ったが、このように竹を満載したトラックをよく見かける。中国の道交法はどうなっているのだろうか?こんな過積載は大学の演習林ですら見なかったぞ!

13:35 標高約700mにある土地嶺隧道に着く。かなり疲れた。隧道内は明るく、車もかなりゆっくり走っていたので日本のトンネルよりも安全だった。(大平原に住んでる安徽省人民には隧道は珍しいのか?)

土地嶺隧道を抜けてからはずっと下りかと思いきや、意外とアップダウンが多い。

15:20 慢水河鎮を過ぎる。愛知県の足助の町に似ている気がした。

上土市鎮人民は優しい

16時過ぎ、目的としていた上土市鎮に着く。適当に見つけた鑫栄旅社という旅社に入る。日本人だけど泊まれますか?と尋ねたら、宿のおじさんが「じゃあ、一緒に派出所に行くからついて来て」みたいなことを言うので一緒に自転車で派出所に行く。派出所内で、おじさんが公安の人に説明して説明書のようなものをもらう。公安の人と一緒に旅社に戻って、旅社のPCで宿泊登記をする。

登記に時間がかかるらしいので、自分はお茶を入れてくれた旅社のおばちゃんと話す。おばちゃんはとてもフレンドリーで、あなたと同じくらいの子供が2人いるよ、と言っていた。一緒に写真も撮る。部屋で休んでて、と言われたので部屋で休憩する。

20分くらいたって、登記が終わったらしく公安の兄ちゃんが部屋にやって来た。はじめ、なんか問題でもあったのかな、と思ったがただ外国人と話してみたいだけらしい。彼は自分と同じ21歳で少し英語が出来た。

我「ここの出身ですか?」 他「出身地は合肥です」 我「合肥なら一昨日泊まったよ」 他「どうだった?」 我「人が親切でとても良かった」 他「好好好」

彼とも写真を撮った。公安の人も優しくて嬉しい気持ちになる。部屋は広くて綺麗だが40元と安い。

シャワーを浴びてから近くの食堂で青椒肉絲とご飯を食べる。食堂の男性に煙草を勧められる。自分は煙草を吸わないので断ったら、じゃあビールは飲むか?と聞かれたので一杯いただく。「あなたの国ではどんな酒を飲みますか?」と聞かれたので「日本人もビールをよく飲みます」と答えた。

彼が、記念にコインを交換しようと言ったので彼の電動バイクの後ろに乗って宿に戻る。(さっきビール飲んでたよな…)部屋で宿のおじさんと3人で日本円と人民元の硬貨を交換した。彼らと分かれてから21時に寝る。

10月31日 上土市鎮→匡河鎮 湖北省に入る

分水嶺を越えて湖北省へ

7時起床。旅社のおばちゃんに連れられて、隣の食堂で朝食を摂る。新鑑真号の朝食と似た感じだ。山間の鎮なので10月末の朝は寒く、湯気が立ち昇るおかゆが美味しく感じた。8時半、旅社のおじさんとおばちゃんに見送られて上土市鎮を出発する。

峠への道を進む。古い民家が残っていて良い雰囲気

9時半、淮河と長江の分水嶺になっている峠を越えて安徽省から湖北省に入る。写真を撮っていたら工事のおじさんに話しかけられる。中国は日本から新幹線や高速道路など多くの土木技術を学んだ、みたいなことを言われた。

しばらく山道を下って石鎮を過ぎると西河沿いの真っ直ぐな道となる。交通量も少なく、ハルニレ?並木が続いていて気持ち良い。英山県の手前から再びアップダウンが多くなる。14時頃、紅山鎮で遅めの昼食で炒飯を食べる。

匡河鎮は夜が早い

16時頃、目的地の匡河鎮に着き、淑芳賓館という宿にチェックインする。最初は1泊80元と言われたが、もっと安い部屋はないですか?と聞いたら60元の部屋にしてもらえた。

この賓館は最近できたばかりなのか、奇麗だがフロアがまだ工事中になっている。ガランとした工事現場には毛沢東がいます…

シャワーを浴びてから夕飯を食べに行くが、19時だというのに匡河鎮は真っ暗だ。中心部まで歩いて行ったが、開いてる食堂が見当たらなかったので超市でつまみとビールを買って暗い部屋で飲む。部屋の電気が壊れてつかないので早めに21時前に寝る。

11月1日 匡河鎮→郭州 再び長江を越える

路上で肉が売られている

6時半起床。一度も目が覚めず、9時間以上も眠り続けていた。昨晩とは変わって朝の町はかなり賑やかだ。兄弟食堂と書かれた食堂で朝食を摂ってから8時半に匡河鎮を出発する。

10:20 白蓮鎮に着く。白蓮鎮から201省道に出るまでの10km程の道は、路面のひび割れが多くとても走りずらかった。自転車の寿命が縮まった気がする。浠水県のビュッフェ式食堂で昼食を摂る。浠水県は安徽省の霍山県以来となる県級都市でなんとなくホッとした。

郭黄長江公路大橋を渡る

黄岡市中心部の手前で南へ曲がり、郭州に行くため16:00 郭黄長江公路大橋を渡り始める。とても大きな吊り橋だが自転車は無料で渡れる。橋の一番高い所に自転車を停めて、両側の長江を眺める。

湖北省まで遡ると長江はやはり「川」であった。水がしっかりと西から東へ流れている。なんという量の水が流れていることだろうか!その水の量に圧倒される。そして何艘もの貨物船が行き交っている。長距離旅客船が廃止された現在でも、長江が中国の大動脈であることは変わりないのだなあと感じる。水の流れる先は霞んで見えず、まさに「ただ見る長江の天際に流るるを」という感じがした。

郭州で安宿を探すが…

郭州の中心部で安宿を探すが見つからなかったのでホテルに入る。とても広くて綺麗な部屋が100元だったのでまあ良いとする。夕飯は近くのショッピングモールの食堂で熱乾麺と小籠包を食べる。米清酒というのがあったので飲んでみるが、清酒というより甘酒に近い味だった。22時前に寝る。

11月2日 郭州→武漢 ようやく武漢に到着

武漢に到着する

7時過ぎ起床。荷物をまとめて8時半にホテルをチェッアウトする。道路沿いの店で熱乾麺を食べる。熱乾麺は武漢の名物となっているので郊外の郭州にもお店が多く見られる。が、結構辛かった。(写真は撮り忘れた)

今日はいよいよ65kmくらい先の武漢をめざす。しばらく長江の堤防に沿って西へ進み、12時前に葛店の街を過ぎる。この先もたくさん町はあるだろからと思い昼食を摂らなかったが、すぐに山道になってしまった。

結局、武漢市街に入るまで町はなかった。シャリバテを心配したが13時前には武漢市街に入る。街の東側には多くの大学があった。14時頃、世界城という大きなショッピングモール内のマクドナルドでコーヒーを飲む。ハンバーガーとセットで注文したら33元もした。

15:15 長江大橋に続く道路から黄鶴楼を見る。現在の建物は20世紀後半の再建だが、やはり古代から有名な楼とだけあって少し感動する。写真を何枚か撮る。

久しぶりに日本語の会話をする

15:40 武昌地区の中華路の近くにある享趣国際青年旅舎に着いてチェックインする。

共同スペースはとても綺麗で雰囲気も良い。10人ドミトリーが1泊32元でさっき食べたマクドナルドよりも安い。

夕方、共同スペースでのんびりしていたら日本語のできる男性に話しかけられる。彼の名前は董楷さんといい、22歳だと言っていた。学生時代にボランティアで、中国へ来た日本人と交流していたときに日本語を習得したそうだ。学校を卒業した後、上海で4ヶ月間、獣医の手伝いをしていたが今は辞めて中国各地を旅行しているらしい。久しぶりに日本語の会話ができて嬉しかった。

夜、董君と一緒に長江沿いを歩いて夕飯を買いに行く。沿岸のビルや長江大橋がライトアップされていてとても煌びやかだ。コンビニで弁当を買って宿の共同スペースで食べる。

彼に勧められてビールを2本飲む。21時前まで色々と話したあと、部屋に戻った。南京から8日間走り続けて武漢まで来ることができた。明日からしばらくは自転車から離れます…。21時過ぎに布団に入るが、大きな街に着いて興奮していたのかなかなか寝付けなかった。

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