2020.8.13~15 The Long and Winding Commuting Road①(折立→薬師岳→五色ヶ原→一の越→雷鳥沢→劒沢)

メンバー:単独

コースタイム

2020/8/138:20折立発
9:40三角点ベンチ
10:55五光岩ベンチ
11:35-12:23太郎兵衛平小屋
12:40薬師峠キャンプ場着
2020/8/144:30薬師峠キャンプ場発
5:45-50薬師岳山荘
6:45-7:05薬師岳
7:50-8:05北薬師岳
9:49-10:28スゴ乗越小屋
10:56スゴ乗越
11:47スゴ頭
13:11-37越中沢岳
15:14-35鳶山
16:15五色ヶ原キャンプ場着
2020/8/155:48五色ヶ原キャンプ場発
6:20ザラ峠通過
7:45獅子岳通過
9:33龍王岳北分岐
9:57-10:24一の越山荘
10:55-11:25立山室堂山荘
12:05-17雷鳥沢
13:39-57別山乗越
14:25劒澤着

プロローグ

 お盆から北アの劒澤で半月ほどバイトをすることになった。自分はてっきり、アルペンルート利用で室堂からの上山ルートを指定されると思っていたが「どっから登ってきても良いよ」と言われたので、前々からやってみたかった薬師岳~立山の縦走路で行くことにした。
 果たして折立から2泊3日歩き通して劒沢まで行き、その後しっかり働けるか体力的な不安もあったが、せっかくの機会で天候も良さそうだったので実施することにした。

8月12日 水曜日 晴れ
 父に車で名駅まで送ってもらい、16:10 富山行き高速バスに乗って名鉄バスセンターを出発する。乗客は自分を含めて2人だけだった。

 19:30 富山駅に着くと辺りは既に暗かった。路面電車で荒町という電停まで移動し、繁華街を歩いて予約していたアムズホテル桜木町へ向かう。アムズホテル桜木町はスナックだらけの雑居ビル内にあり、客引きのお兄さんに入口を教えてもらってチェックインした。内装も古めだが一泊3500円と安いので問題なし!
 シャワーを浴びて、ビールを飲んでさぁ寝ようと思ったが一つ問題が。自分の手持ちが2万円しかないのだ。登山口までの交通費を差し引いたら、ゴールの劒澤まで約15000円で行かなければならない。実家から緊急でしてもらった送金が、明日の早朝にATMに反映されてれば良いのだが…。不安を覚えながら22時に寝る。

【1日目】2020/8/13(木)雨→曇り

 4:50 起床、5:20 アムズホテル桜木町をチェックアウトする。ファミマで2万円を引き出せて安心する。これで緊急時の小屋泊も可能だ。
 富山駅前の吉野家でさば味噌定食(米大盛り)を食べてから富山駅の端っこに付いてる電鉄富山駅に行く。

 6:03 発車、乗車率は6割くらいで全員登山者のようだ。出発時には曇りだったが、五百石駅を過ぎた辺りから車窓が雨に洗われるようになってしまった。立山駅の一つ前の有峰口駅で下車して、2500円もするバスに乗り換える。the lost world を聞きながら有峰林道をバスに揺られて、8時過ぎ登山口の折立に到着。

 8:20 折立から登り始める。40分くらいたったら雨が強くなったのでレインの下もはく。急登&雨で不快指数MAX、おまけに登山者も多い。

雨が強かったり、看板が見にくかったりしたので三角点ベンチと五光岩ベンチは通過して雨が弱まった時に適当に休憩する。

 11:35 太郎兵衛平小屋に到着。濃いガス、やや風強く寒い。コロナ対策で食堂は宿泊者only らしいので、半外の寒いベンチでうどん並(700円)とおにぎりを食べる。食後、案内所の警備隊の方に登山届を提出。はじめ、明日の行程を心配されたが「劒澤のバイトです」と言ったら「なんだ~、○○さんによろしく」と心配されなくなった。

 12:40 薬師峠のテント場に着く。既にけっこう混んでいる。父親から借りてきた山岳用テントを初めて建てるがスムーズに設営できた。広くて快適、ムーンライトには戻れないかも。

 夕方になると天候も回復してきた。パンを買いに戻った太郎平小屋からは、薬師岳の南東尾根、水晶岳、黒部源流の谷なども見えてた。さば缶とα米を食べて、ビール500を飲む。20時頃寝る。

【2日目】2020/8/14(金)晴れ→晴れ時々ガス

 さあ、勝負の2日目である。この日は総コースタイムが11h50mとかいうかなりの長丁場だが、天候から判断して決行する。が、1時間寝坊して出発が4:30になってしまった。

薬師平からは、暁の空をバックに聳える槍ヶ岳が見えた。

薬師岳山荘を過ぎた辺りから振り返る。手前から順に黒部五郎、笠、乗鞍、御嶽。

6:45 標高2926mの薬師岳山頂に着いた。頂上からは、富士、北岳、奥穂高という日本ベスト3の高山を同時に望見することが出来た。

劔岳、大日岳方面(北)
黒部川の谷(南)

薬師岳を過ぎると登山者はぐっと少なくなった。天然記念物の圏谷群を眺めながら、静かな稜線をスゴ乗越へ向けて下る。

 9:49 スゴ乗越小屋着。コーラを買って30分休憩する。今日は下界はかなり暑そうだ。ここでは2年前に兄が短期のバイトをしていたので管理人の方に挨拶した。
 薬師から立山へ縦走する際はここと五色ヶ原に一泊づつするらしいが(北薬師であったおじさんも、今日はスゴまでと言っていた)、自分は強行軍で五色ヶ原を目指す。

 小屋から少し下ると、穂高~劒岳間の最低鞍部であるスゴ乗越(2149m)を通過。そこから3時間近く急登を登り返して、13:11 越中沢岳に着く。スゴ乗越からガスったので涼しかったが、快晴のままだったらかなり暑くてしんどかっただろう。

 越中沢岳からは、広くのんびりとした稜線を歩いて徐々に五色ヶ原へ下っていく。
 15時半頃、鳶山の頂上にて男性から「水を分けてもらえませんか」と言われる。自分はかなり水の予備があったのでそれを渡したら、男性はすごい勢いで水をがぶ飲みしていた。聞くと、スゴ頭への登りで水が無くなったことに気づいて、そこから水無しでここまで来たという。「水がないと行動食も食べれないんですね…」と言っていた。

 16:15 五色ヶ原のテン場に着く。かなり風が強く、設営にひと苦労した。カップラーメンとα米、ビールの夕飯を食べる。食後、早めに寝るが強風でテントが揺れてかなり心細かった。ムーンライトだったら空中分解してたかも。

【3日目】2020/8/15(土)濃ガス→薄ガス

 4時頃起床。強風のせいでろくに寝られた気がしない。
 テント内で朝食のα米を食べてから撤収して、5:48 五色ヶ原のテン場を出発。昨日の長時間山行が効いて、腰のザックのベルトがあたる位置が少し痛い。

 佐々成政が越えたらしい(本当か?)ザラ峠を過ぎてから、獅子岳・鬼岳への登りは延々と続くようで辛かった。

さらに、強風と濃いガスで立ち止まるとすぐに寒くなった。

 10時前、一の越山荘着。ここまで来ると、室堂から登ってきたのであろう登山者がたくさんいてかなり安心感を覚えた。中にはスニーカーを履いた登山者?というのもいて一気に俗世界に戻ってきたという感じがした。
 計画では、一の越から立山(雄山、真砂岳、別山)を縦走して劒沢に向かう予定だったが、このガスじゃあ展望はないだろうし、風も強く大きなザックを背負っていて心配だったので一旦、室堂へ下ることにした。

11時前、立山室堂山荘着。トイレをかりて便をし、外ベンチで軽食を摂った。 

 雷鳥沢のテン場まで来ると、ガスも薄くなってきて立山の稜線がたまに見えたりした。

浄土川の橋を渡って、雷鳥坂を登り13:39 別山乗越に着く。劔岳はガスの中だった。別山乗越から30分程下って本山行のゴール兼職場である劒沢に14:25 に着いた。

室内ではストーブがたかれていて、ホットカルピスを飲みながら自己紹介をした。
「折立から来たか~りっぱりっぱ。それに今日、立山縦走しなかったのは賢明な判断だ」と言われて自分の判断に少し自信がついた。

 その後、9月1日まで自分は劒沢にてそれはそれは密度の濃い半月間を過ごした。劒沢に着いた日の晩にしっかり働けるか、山行中から少々不安だったがまぁ何とかなった。夕飯の片付けが終わった20時過ぎから翌朝6時まで10時間爆睡だったが。

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