愛知県道221号線(岩崎名古屋線)は名古屋市瑞穂区の国道一号線と日進市の岩崎町を結ぶ道である。
もう少し詳しく書くと終点はパロマやブラザーの本社のある瑞穂区堀田の内浜交差点、起点が日進市岩崎町岩崎交差点。
瑞穂区内に縁がある人なら弥富通や妙音通と言えばわかるかな。実はちゃ~んと正式名称があったのである。そしてその道をひたすら東へ行った先がわがふるさと日進なのである。
で、今回はその起点が変更されたよ、というお話。超マイナーな道の上、だから何?と言われればそれまでだが。かつては岩崎交差点より西側の「岩崎神明」というT字路でr217から分岐していた。ところがそのr217に新道ができて旧道化→その旧道をのっとる形でr221が岩崎の交差点まで東進した。もっとも2つの交差点は200メートルほどしか離れてはいないのだけど。
r221は題名にも書いたとおり私にとって思い入れの深い道である。というのも日進市在住なので家から一番近い県道!であった。ただそれだけだが、
また、中学時代、高校時代とこの道を自転車で走って学校へ通った。
r221は梅森付近では立派な新道が作られている。当然通学にはそちらを使えといわれていたのだが、私は旧道を好んで走った。別に趣深いとかそういう理由ではなく、単純に坂が少なく、若干近道だから。旧道は地形に対して正直である。自転車に乗っていると坂に対して非常に敏感になる。なにより1年間も通学すればひとつの段差の角度やら道路の凹みまで無意識に覚えてしまう。そんなわけだから当然新道の抱える意味のないアップダウンにも嫌気がさすはずである。
しかし旧道を走るのは自転車だけではない。もともと旧道は永い間に勝手にできた道であることが多く、地域と地域を最短距離で結んでいる。そのため、新道開通後も依然と抜け道として地元民の自動車ユーザーを中心に利用されている。道路は細く見通しも立たないのでやはり危険な箇所が多い。
私以外にも旧道のメリットに気付き旧道で通ってくる中学生もいたので、学内で安全性の問題が指摘され、とうとう旧道を通ってはいけないと言われるようになった。
それでも私は旧道を走った。別に反抗的だったとかダメといわれる筋合いはない!とか“中学生だったから”というのが理由ではない。無意識的に走っていた道が旧道として通行禁止になったことで、はじめてその道が魅力的に見えたような気がしたからだ。
でもこのことは旧道・廃道の魅力そのものであると思う。つまり、旧道・廃道は現役時代はさして注目されないものである、新道ができてはじめて箔がつくものであろう。
そんなわけでr221は中学生の私に旧道の魅力をおしえてくれた。
高校は瑞穂区内のr221沿いの学校へ通った。良いこと49・嫌なこと51の学校生活であったが、ほぼ毎日この道を中心に自転車で1時間近く走って通っていたわけなので思い入れがないはずがない。
学校ついでによく新瑞橋や堀田界隈へ遊びにも行ったので、高校時代には全線通してそのまま行動範囲と重なっていた。おもえばお世話になった予備校もこの道沿いである。
けれど3年前に長久手の大学に通うようになると、高校時代とはすっかり生活圏も変わり、r221も走らなくなった。
ところがこの前のバイト帰りにこの延長区間に気付いた。
標識にあの221が私の進む方向へ伸びているのである。200メートル程度だが、まさにその場所は大学への通学路である。自転車から原付へと乗り物は変わったが、再びr221が私の生活へ入ってきた。毎朝通るたび、私の原点のような気がしてほっとするのである。
↑参考までに。
おしまい(兄) 五月晴れの金曜日に
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