ヤンゴンの思い出 (兄)

ヤンゴンには2月20日の朝に着いて、それから3日間滞在した。

朝焼け

汽車からみた朝焼けが見事だった。モーラミャインが夕日の街ならば、ヤンゴンは日の昇る街か。浮き立ってホームに降り立ち、駅から歩いてダウンタウンへ行った。雑居ビルの中にある新しいゲストハウスを街あるきの拠点にした。

ヤンゴンは面白い街だった。

街自体はコンパクトでバンコクに比べてまわりやすかった。中心部のダウンタウンには植民地時代の高さの等しい建物が整然と並んでいる。そんなコロニアル建築だけでも素敵なのに、そこに庶民の暮らしが入っているのが尚よい。住んでいる人たちもインド人街やチャイナタウンで分かれており、それぞれの路地にそれぞれの特色がみられるのもこの街の面白いところかもしれない。

海外に行ったらその国の床屋で髪を切ってもらおう、と前々から考えていたので、ここヤンゴンで実践することにした。「理髪店」というのは人の暮らしがあるどんな場所にも存在する。それは日本でも同じで、コンビニもないような寂れた集落にも、あのクルクルが健気に回っていて驚いたこともあった。

ヤンゴンのような大きな街では、街中至る所でみつけられた。その一軒に入ってみたが、その多くが半分屋外のような店で、日本より入りやすいはず(当然予約は不要)。値段も180円と破格で、日本で3千円以上払っていたのがあほらしくなる。美容にそこまでこだわらない人なら、旅行の思い出にもなるので、異国の散髪をぜひともすすめたい。(私は頭が台形になったが)

歩き疲れて、日が暮れてからバーベキューストリートへ。客引きに連れられるまま入ったお店でひとり乾杯。メニューを見せられてもよく分からないので、いくつか注文した。名前の通り、焼き鳥が串で何本か出てくるのかと思ったら、鳥の丸焼きが出てきてビックリした。。

旧ビルマ政庁内部

翌日は朝イチで旧ビルマ政庁のツアーに参加した。この歴史ある建物も、2024年にはショッピングモールのようなものに生まれ変わるそうで、工事がすすんでいる。聴いていたよりも工事の進展ははやく、正面の吹き抜け部分へ入れなかったり、オリジナルのものが移動されていて少し残念だった。まぁでもアウンサン将軍の暗殺現場をこの目でみれたのはよかった。

午後からは環状線に揺られて、郊外の日本人墓地へ行った。ミンガラドンという駅で降り、交通量の多い道路を歩き、バスターミナル付近で迷った後にたどり着いた。線香を立てて記帳をし、手を合わせておいた。さっきまでの喧騒が嘘のように静かな場所だった。

それからの帰り道、バイクをチャーターして駅に戻ったが、次の電車が来るまで1時間以上あった。特に何かするわけでもなく、暮れゆく街中で人々の往来をみていた。線路でボール遊びをする人々や軒先の犬や鶏など、のんびりとした風景の一方で、環状線は日本の円借款で設備の近代化がすすむ。ヤンゴン自体、それまでの旧体制から変わって、街も大きくなっていくようなエネルギーに満ちていた。

ミンガラドン駅にて

ヤンゴンの現代は、ビルマ、イギリス、日本が複雑に絡み合った歴史の上に成り立っているように思う。数日滞在してそんなことを考えさせられた。

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