奥穂高→ジャンダルム→西穂高

メンバー:単独

コースタイム

‘21.7.206:54上高地BT発
7:40明神
8:19-26徳澤
9:15-35横尾
10:25-35本谷橋
11:25-37Sガレ
12:15-40涸沢ヒュッテ
14:08-20ザイテングラード取付
15:30穂高岳山荘着
7.214:36穂高岳山荘発
5:15-35奥穂高岳
6:32-38ジャンダルム
7:50-8:05天狗のコル
9:03頃間ノ岳
10:20-11:17西穂高岳
12:07-15西穂独標
13:00-25西穂山荘
15:16田代橋
15:40上高地BT着

1日目 晴れ 上高地→涸沢→穂高岳山荘

 4時半起床。5時に安曇野市内の兄の家を出発する。波多のコンビニで食料を調達する。こんな即席の食糧計画で穂高に入って良いのか?兄の車で沢渡まで送ってもらい、6時の上高地行きの始発に乗ることができた。
 釜トンネルを抜けて30分くらいで上高地へ入る。3年振りの上高地だ。荷物を整理して7時前に上高地バスターミナルを出発する。

河童橋からは雲一つない穂高連峰を見上げることができた。明日歩く予定の尾根も見えている。

明神、徳澤を経由して横尾までは上高地の散歩だ。カラマツやモミの林に朝日が射していて気持ちが良い。2時間半くらいで横尾に着く。

横尾から本格的な登山が始まると思いきや、本谷橋の手前までは今までと似た感じの緩やかな道だった。本谷橋を過ぎてから急登が始まり徐々に南岳とかの岩山が見えてくる。

横尾本谷と別れて涸沢の谷へ入ると穂高連峰が見えだす。
12時過ぎ、モレーン上にある涸沢ヒュッテに到着。眺めの休憩を取って昼食を取る。上高地から入った登山者の多くは、一日目は涸沢で泊まるようだった。自分は今日のうちに稜線上の小屋まで行かなければならない。

約30分休憩の後、パノラマコースで登り始める。何回か雪渓上を歩くが、めんどくさいのと溶けて柔らかくなっていたのでアイゼン付けずに進む。一昨日の針ノ木岳の疲れとかが出てきてペースが落ちる。

14時過ぎ、ようやくザイテングラード(痩せた岩稜)の取付に着く。

ザイテングラードは涸沢カールに取り残された細い岩尾根なので眺めが良い。釣り尾根とか常念とかを見ながら急登を上がっていく。

15時半、白出のコルにある、本日のゴールの穂高岳山荘に着く。今回の山行は荷物軽量化を優先したので8800円払って山荘に素泊まる。受付を済ましてから17時くらいまで、外で今日の疲労が明日に残らないようにストレッチとかをする。

茨城から来たという同じ部屋のお兄さんと色々話す。その後、ビールと夕飯をご馳走になった。お兄さんはよく喋る人で近くにいたお爺さんとも話し込んでいた。19時半頃、笠ヶ岳に沈んでゆく夕日を確認してから寝る。

2日目 晴れ 
穂高岳山荘→奥穂高岳→西穂高岳→西穂山荘→上高地

3時半過ぎ起床。明るくなるまで小屋内で朝食を摂りつつ待つ。

4時半過ぎ、十分明るくなったので日の出のちょっと前に山荘を出発して、奥穂への崖を登り始める。

しばらく登ると、涸沢岳と北穂の間から槍が見えてくる。今日も良い天気で、どれくらいかというと、小屋で付け忘れたコンタクトを稜線上で付けることができるほどの無風だ。

5:15 奥穂高岳(3190m)に登頂。自分の最高点を4年振りに更新した(これまでは後ろに写っている槍ヶ岳。いつも見上げてた槍ヶ岳が下に見えて奥穂に登ったと実感する)。

奥穂より早朝の岳沢・上高地を見おろす

そして、ここから西穂への難関ルートになる。装備が甘いので、奥穂に登るまで前穂経由岳沢下山と迷っていたが、天候をみて西穂縦走を決行する。丁度、山荘から来たおじさんも西穂へ向かうというので一緒に行動する。

奥穂から下ってすぐに第一の難関、馬の背の下りになる。岳沢側の足場を使って慎重に下る。足を滑らせたら、上高地へ一直線かな?

馬の背の下り

馬の背の次は第二の難所、ロバの耳のトラバースになる。飛騨側の絶壁を鎖につかまりながらトラバースする(ちょうど影がついている辺り)。

ロバの耳のトラバースの次はいよいよジャンダルムに登る。ジャンダルムへは稜線を進まずに、一旦岳沢側をトラバースして西穂側のコルへ出る。なるほど、ジャンダルムは奥穂側からみると絶壁だが、西穂側へまわってみると意外ともっこりとした岩山だった。

こちらから難なく登って、6時半ジャンダルムに登頂。周囲を遮るものがないので風が強い。6分くらい滞在する。

ジャンダルムから奥穂を振り返る

ジャンダルムから、天狗のコルまでは岩稜帯を一気に下っていく。上高地のバスターミナルや河童橋も見えている。

右手には常に笠ヶ岳

8時頃、崩壊した避難小屋の跡が残る、狭い天狗のコルに着いて15分ほど休憩する。一応、ここから岳沢小屋へのエスケープルートもある。

逆相スラブ

天狗のコルから天狗岩へほぼ垂直な斜面を鎖を使ってのぼる。天狗岩から間天のコルへの下りは逆相スラブ状の岩場となっている。

間ノ岳辺りから。西穂もだいぶ近づいた

間天のコルからもアップダウンを繰り返して間ノ岳とか赤岩岳を越えていく。が、奥穂~ジャンダルムの区間に比べれば危険個所も少ない。それに、周囲にハイマツが現れだしたので、岩だらけだった区間に比べれば何となく安心感が湧く。

10:20 ついに西穂高岳へ到着する。西穂高岳手前のピークへの登りは垂直に近く、下りだと難しいだろうなと感じた。
西穂でバイトしていた3年前にここまでは来ているので一安心だ。3年前ガスで見えなかった景色も今日は良く見えている。

ここを下ってきたのだ

ネットなどを見ていると西穂→奥穂で縦走している人が多いが、個人的には奥穂→西穂の方が難易度が低いのでは?と思った。その理由
・全体的に下り(特にジャンダルム~天狗のコル間)なので体力的にきつくない
・縦走開始直後の元気なうちに最難関の奥穂~ジャンダルムを越えられる
・穂高岳山荘で一泊すれば、遅くとも昼までには西穂高岳に着くだろうから夕立  の心配が少ない

西穂高岳で1時間近く大休憩する。一応、独標までは岩稜帯なのでまだ気は抜けない。

西穂高の山頂からは一気に標高を下げていく。3年前に初めて西穂に登った時は、この辺りはえらい殺伐として見えたのに、ジャンダルムを越えてきた今はとても穏やかに感じる。

12時過ぎ、西穂独標に着く。安心感と共に、楽しい岩稜帯が終わってしまうという一抹の寂しさを感じた。

独標からは一気に登山者が増えた。懐かしい稜線を西穂山荘に向かってのんびりと下る。

13時、西穂山荘に着く。西穂山頂まで一緒だったおじさんにポカリを奢ってもらい、ビールを一口頂いた。30分弱休憩してから上高地へ向けて下山を開始する。

西穂山荘より下は久振りの樹林帯となる。いい感じの登山道だがそろそろ足が限界に近づいてきた。新穂高辺りから入道雲が湧いて雷鳴が聞こえてくるが、結局雨は降らなかった。

約2時間下って上高地の西穂高岳登山口の門をくぐる。田代橋を渡って梓川沿いを歩き、15:40 上高地バスターミナルに着き山行が無事終わった。

バスのチケットを買ってから河童橋へ行き梓川で豪快に顔を洗う。その後、バスの時間まで穂高の稜線を見上げて感慨にふける。

 16:15発のバスに乗って上高地を後にする。沢渡に家族に迎えに来てもらい松本経由で兄のアパートに帰宅した。シャワーを浴びてからスーパーで買った鶏肉、鯖を食べてビールを飲む(2日間おにぎりばかり食べてたので肉を食べたかった)。21時過ぎに倒れるように寝る。

感想

 翌日、安曇野の兄の家で全身筋肉痛になっていると、穂高と対決した達成感のようなものが湧いてきた。3年前に西穂でバイトしていた頃から憧れていた稜線を、大学在学中に歩けたことはとても嬉しいことだ。
 ふにゃふにゃの登山靴(ザイテングラードで運動靴と間違えられた)で奥穂高から西穂高へ縦走できてしまったが、これは単に天候が良かったからだろう。天候とかの条件が悪くても、穂高から帰還できるように技術や装備を備えていきたい。
 それにしても、針ノ木岳日帰りからの1泊2日穂高縦走はキツかった。3日たっても筋肉痛也。

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