今年の登り納めです。
上高地も閉山し、11月いっぱいで安曇野側の林道も閉まれば、北アルプスへはしばらくアクセスが難しくなる。今年のラストチャンスは日曜日、天気はまずまずの予報。GWぶりに常念へ行くことにした。
土曜日は変な天気だった。11月も終わるというのに20度に迫る陽気で南風が強く吹いていた。常念も見えていたり、急に雨も降ったりと不安定で、波田には大きな虹も出ていた。南風と季節外れの高温の要因は日本海を進む前線で、この前線が夜から明け方にかけて中央高地を通過した。そのため、朝には一時冬型となって北西の風が強まったが、すぐに大陸からの移動性高気圧に覆われる予報となっていた。
前日は19時に弟が長野市からやってきて、雷が北の空で光るのを見ながら、ジムニーを三俣へ置きに行った。ルートは以下の通り。日帰りであるが、車二台を贅沢に使って、楽な一ノ沢を登り、眺望は抜群だがキツイ三俣へは下りで歩くことにした。とはいえ、前日に登った記録はなく雪の状況や三俣ルートの踏み跡次第では、一ノ沢ピストンも視野に入れて22時半就寝。
5時半起床。二人とも朝に弱い&天気も回復傾向なのでのんびり支度。アパートから山は雲に隠れて見えず。Youtubeライブカメラ確認、室堂ガスガス、河童橋は快晴・穂高連峰くっきり。
雲多めの安曇野を山に向って走る。堀金セブンで買い出し、別荘地のトイレ(洋式・ヒーター、ウォシュレット付)で快便、までは順調だったが、一ノ沢手前から雨降り出す。登山口ではまぁまぁ降っている。しばらく待つが止まないので小雨になったタイミングで出発。8時前である。車は数台停まっているが、遅いので誰もいない。
月日 | 時間 | 場所 |
11/27 | 7:55 | 車発 |
8:00 | 一ノ沢登山口 | |
8:51 | 大滝 | |
9:38 | 笠原沢 | |
11:37~12:05 | 常念乗越 | |
13:20~13:45 | 常念岳 | |
14:40~15:00 | 前常念岳 | |
16:03 | 尾根外れる | |
17:35 | 三俣登山口 | |
17:50 | 三俣駐車場 |
予想外の雨
しばらく歩いて大滝あたりからは雪になった。
笠原沢で電波が入ったので、ライブカメラを確認すると室堂も快晴。稜線の晴を期待する。「雲海で雨は降る」というのは事実なのかな?
高度により、目まぐるしく天気が変化
胸突八丁あたりの高巻 春は雪渓を乗越までつめていったが、まだ雪が付いていないので夏道を進むこととなる。幸い南斜面で雪が溶けていたので助かったが、積雪次第では通行困難ということもあっただろう。
ここで軽アイゼン装着
雲の上に出ました。乗越まであと少し。樹林帯の尾根をジグザグ登っていく。
樹間から常念北斜面、冠雪して更に高度感がある。
いよいよ乗越へ這い上がる。登山口から約3時間半
槍がくっきりと青空に映えている。
常念小屋は小屋閉め済。登山者ちらほら。
北斜面なので雪も深いが、踏み跡あり。
GWも降雪後だったが、さすがに今回の方が稜線の雪は多い
あまりゆっくりしてられないので山頂を目指して高度を上げる。対峙する横通岳を。
槍と私
宇宙を感じる
まぁまぁの斜度です。
強い西風の中1時間ほどで前常念への分岐。踏み跡を確認、尾根を歩いてこちらへ来る登山者も確認。
最後の登り。風で雪が舞う。
13時20分、誰もいない山頂へ
無事、登頂。
ベストショット 下りで歩く尾根を入れて
待ち受け確定
望遠でシリーズ 槍
Mt.Fuji
中央に大天井、右奥に立山、劔
逆光穂高 これはこれで良い感じ
御嶽、乗鞍 眼下には梓川の流れ
前常念へ行きましょう。
蝶・大滝方面
頸城山塊
浅間山
名峰と雲海を眺めながらの下山
常念沢を覗く
これぞ常念登山の醍醐味
ふりかえって
雲も薄くなって安曇野が見えてきた
だいぶきました。何度見ても良い山です。
前常念ちょっと上部でコーヒータイム
だいぶ風も弱まりました。
石室
雲が美しい一日でした。
南斜面の岩場はアイゼンを外して下った。雪も溶けぐちょぐちょだったので歩きずらかった。
尾根を外れて谷底へ下りていく。半分くらい下ったところで真っ暗になった。今日の三日月では、月明かりも期待できない。まだ17時前というのに、遠く松本平の夜景がまたたいている。ヘットライトとスマホライトで道を照らす。一人だったら心細かったろう。
17時半過ぎに三俣へ下り、車へ戻って駐車場を出たのは18時だった。駐車場への林道から澄んだ空に星がきれいだった。
ジムニーに風呂セットを入れていなかったので、一ノ沢で停めっぱなしの車を回収してほりで~湯へ。ちょうどコスタリカ戦が始まったところだったので、とても空いていた。家に戻ったのは21時前。出発遅めだったとはいえ、これほど長い山行は久しぶりだった。次の一週間は脚の筋肉痛が続いたが、林道閉鎖直前に安曇野の名峰に登ることができて何よりだった。天気も今年イチ、ニの好天、雲海、澄み具合の良い日を当てたと思う。
私にとって登山とは、スポーツではない。それは、本を一冊読んだり映画を一本観たりするのと同じような文学的行為である。だからこそ、同じ山に季節を変え何度も足を運ぶようにしている。最近はこの目的に加えて、擬死体験や自己破壊といった意味も合わせて登るようになっている。善光寺のお戒壇めぐりや、全国寺社の胎内めぐりと似ているかもしれない。現実と非現実の往来による再生、輪廻転生への実感を与えてくれる貴重な場所。そういった意味で、来年も続けていきたい大切な趣味である。ただ、林道がしまっている間はとうてい入ることはできないので、春までおとなしく暮らしていこうと思う。
12/3 今年は冬が遅い。まだ、登れそう。三俣まで行ければ…。
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